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本『バラカ』





私の「震災履歴」は、この小説と共にありました。
重力に逆らい、伸びやかに書いたつもりです。
まだ苦難の中にいる人のために、ぜひ読んでください。 桐野夏生

今、この時代に、読むべき物語。
桐野文学の最高到達点!

震災のため原発4基がすべて爆発した! 警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。彼女がその後の世界を変えていく存在だったとは――。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪そして勇気。想像を遥かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!

子供欲しさにドバイの赤ん坊市場を訪れる日本人女性、酒と暴力に溺れる日系ブラジル人、絶大な人気を誇る破戒的牧師、フクシマの観光地化を目論む若者集団、悪魔的な権力を思うままにふるう謎の葬儀屋、そして放射能警戒区域での犬猫保護ボランティアに志願した老人が見つけた、「ばらか」としか言葉を発さない一人の少女……。人間達の欲望は増殖し、物語は加速する。そして日本は滅びに向かうのだろうか――。
桐野夏生が2011年夏から4年にわたって、危機的な日本と並行してリアルタイムに連載してきた作品が、震災から5年を経た今、ついに書籍化! (Amazonより)



運命に翻弄される一人の少女バラカ。
両親から引き離され、ドバイのベビースーク(赤ん坊市場)で日本人女性に買われた。
新しい生活が始まる直前、震災に遭い、たった一人ぼっちで犬と生き延びていたところを
爺ちゃん決死隊に助けられて、旅をする生活に。

バラカに関わる様々な大人たちの生き様と
彼女に次々に降りかかる災難。
それでもなんとか生き延びる。
震災の8年後、追われて逃げて、10歳の少女が自分の意思で逃げ続ける
サスペンスフルでハードボイルド、手に汗握る長編小説。

中盤からはもうページをめくる手が止まらなかった。
なんとか生きろ、と念じながらバラカの行く末を心配しちゃったよ。

震災前に、バラカを買った女、木下沙羅とTVディレクターの田島優子、
そして葬儀屋の川島雄祐との出会いがもう最悪で。
その大人たちの性格も生き方もどこにも共感できず、
相変わらず桐野夏生作品には毒が多めに含まれてるなと感じてました。

気持ち悪い、っていうか本当に悪人の川島にはとにかくイラつきますが
そういうやなやつを描くのがとてもお上手で。
川島の見た目と性格がガラリと別人のように変貌した理由が今ひとつスッキリと
しないままだったのが気になります。
ヨシザキに受け入れられなかったから?

が、震災で川島から逃れて愛情持って可愛がってくれたじいちゃんのおかげで
バラカの性格はそれほど歪んでもないし、
共感というよりか応援したくなる少女になってくれて
おかげで読みやすくて良かった。

手を差し伸べてくれる大人が嘘をついていないか、信用できるのかを
いちいち考えなくてはいけないなんて厳しい状況だけど、
生きる望みを捨てないでエピローグにはなんとか
数十年後の彼女たちを見せてくれる。

桐野夏生作品では久々に読後感が良いです。
かなりボリュームもあって読み応えあります。
震災後から連載されてたそうで、
生々しい感じももちろんあるのですが、忘れないためにも読んでよかった。


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コメント

非公開コメント

No title

手を差し伸べてくれる大人が嘘をついていないか、信用できるのか・・・そうかあ、それは結構今の自分にはズシンときますわ。
まさに日々その状態ですもん。
まぁ小説の主人公とは違って命にはかかわりないから、そういう意味では幸せかあ~(;´∀`) 

あけぼうさん

おお。あけぼうさん、ハードボイルドな生活してるんだね(笑)
でも、信用できるかどうかっていうのは、
大人になってもあいかわらず習慣として身についていた方がいいよね。
いろんな場面で騙されないために.:゚+☆⌒(*^ー゚)b グッ!!