
原田マハさんのアート小説『アノニム』。
ジャクソン・ポロック幻の傑作「ナンバー・ゼロ」のオークション開催が迫る香港。建築家である真矢美里は七人の仲間とともにオークション会場へ潜入していた。一方、アーティストを夢見る高校生・張英才に“アノニム”と名乗る謎の窃盗団からメッセージが届く。「本物のポロック、見てみたくないか?」という言葉に誘われ、英才はある取引に応じるが…!?ポロックと英才、ふたつの才能の出会いが“世界を変える”一枚の絵を生み出した。痛快華麗なアート・エンタテインメント開幕!!装丁がちょっと凝ってます。
アノニムのマークがど真ん中にドーンとあるのですが、透明なカバーの上にプリントされてるんですね。
しかもジャクソン・ポロックの作品をベースに。
ジャクソン・ポロックについてはちっとも知らない状態で読みました。
抽象画っていうか、何書いてあるんだかわからないくらいの、
模様みたいな前衛的な感じのww
まず、表紙をめくって目次の次のページに
アノニムのメンバーのキャラクターをイラスト付きで紹介されてるんですよ。
これが、ちょっとコミックっぽくてなかなかかっこいいの。
日本人建築家のミリ。彼女が主人公かと思ったらちょっと違った・・・
IT長者で世界的なアートコレクターのジェット。アノニムのボス。
イスタンブールでトルコの絨毯店を経営する美術史家のエポック。
ブルックリンでギャラリーを経営するヤミー。
世界屈指の美術品修復家のネバネス。
フランスの貴族でブランドのオーナーのオブリージュ。
オークショニアのネゴ
天才エンジニアのオーサム
こんなに濃いメンバーでどんな物語になるのかとワクワクしちゃうページなわけですよ。
例えば、ルパン3世とか、必殺仕事人とかミッションインポッシブルとか、
TAKE FIVEとか、BOSSとか
なんていうかなぁ、それぞれが自分の仕事をきっちりとこなすことで
さらっとさりげなく大きなミッションを成し遂げるチームワークが
見てて爽快ですよね。
そんな感じじゃないかと想像してワクワクしながら読み始めることになるんですよ。
でも、主人公は割かれてるページ数の割には香港の高校生・英才(インチョイ)で、
彼がアノニムと関わって、
アートが世界を変えられるかもしれないって夢を持って行動するところが
著者の言いたいことが一番伝わるところなんじゃないかな。
期待していたアノニムの活躍は
え、そんだけか。
ってくらいの肩透かし。
それに、敵の悪役窃盗団も描かれ方がショボすぎる。
もうちょっとスピーディにコンパクトに
長編じゃなくて短編集で1話完結でシリーズにするくらいにしてくれたら、
1話ごとに主役をメンバーを順番に濃いキャラを活かすこともできたんじゃ・・・
ちょっと残念な気持ち。
にほんブログ村
- 関連記事
-